2025年11月11日〜14日にかけて、ACM Symposium on Virtual Reality Software and Technology(VRST 2025)がカナダ・モントリオールで開催されました。私たちの研究室からは、Vishal Chauhan(D3)と 浅部 佑(D1)、さらに数理情報学専攻から Anubhav(D3)が参加しました。多くの国々の研究者が、バーチャルリアリティ、インタラクション技術、シミュレーションプラットフォームに関する研究成果を発表し、口頭発表およびポスター発表の両方で活発な議論が行われました。
私たちのチームは、フルペーパー 「A Silent Negotiator? Cross-cultural VR Evaluation of Smart Pole Interaction Units in Dynamic Shared Spaces」 を発表しました。本研究では、自動運転車が走行する環境において、歩行者が横断すべきタイミングの判断を支援するために明確な「STOP/GO」信号を提示するインフラ型インタフェース Smart Pole Interaction Unit(SPIU)を提案しました。VR–AWSIM を用いたテストベッド上で、日本とノルウェーの参加者を対象に4つの難しい交通シナリオを設定して評価した結果、SPIU は歩行者の意思決定時間を短縮し、自動運転車とのやり取りにおける有用性の認識向上に寄与することが示されました。また、本研究で使用した VR–AWSIM 環境は、他の研究者が再現・拡張できるよう GitHub(https://github.com/tlab-wide/Smartpole-VR-AWSIM)でオープンソースとして公開しています。
今回の経験を通じて、国際的な研究者から貴重なフィードバックを得ることができ、Q/A セッションやコーヒーブレイクでも有意義な議論を交わすことができました。特に、どのような条件下で SPIU が車両側 eHMI より価値を発揮し得るのか、また VR–AWSIM 環境をどれほど容易に再構築できるのかについて、多くの関心が寄せられました。今後もこれらの示唆を踏まえ、SPIU のコンセプトおよび VR 検証プラットフォームのさらなる改善を進めていきます。













